海外の難しい交渉を英語でまとめる 【ビジネス事例②引取交渉編】

交渉スキル

みなさん、こんにちは。ACEです。

前回に続いて今回も、海外営業として実際に直面するビジネス交渉事例をベースに、みなさんの交渉力が上がる一つのきっかけになってもらえるような記事を書いてみたいと思います。

前回の記事をまだ読まれていない方はこちらから読んでもらえたらと思います。交渉を英語で進める実践的なステップ【ビジネス事例①解雇交渉編】

今回のテーマも実際に直面すると難易度の高い内容かと思います。そんな今回のテーマは「引取交渉」です。

これも嫌な問題ですよね。嫌な問題ですが、「引取交渉」というのは「商社」や「製造業(メーカー)」等で良く有るケースだと思います。

ロジカルに、粘り強く、結果を急がずに、丁寧に交渉する

一言に集約するとこんな言い方になると思います。この内容を今回も様々な経験談踏まえて、出来るだけ実践的に使えるように解説してみたいと思います。

難しい引取交渉をまとめる実践的なステップ

「引取交渉」は様々な前提条件によって難易度が変わってきますが、ここではより難易度の高い「引取責任が曖昧なケース」を想定して解説してみたいと思います。

 ※「引取責任が明確なケース」とは、例えば両社が締結している基本契約書や購買契約書に引取責任の範囲が明確に定められているケースです。このような場合はこの契約書に基づいて交渉すれば良い訳です。

もちろんそのような契約書が有っても海外顧客が支払ってくれないケースもあります。そのような場合においても下記の方法を参考にしてもらえたらと思います。下記に説明するのは「引取責任が曖昧なケース」です。引取責任の定められた契約書が有るだけで、ずっとハードルが低いです。

これまで私は数多くの「引取交渉」を経験してきました。もちろんこちらも全て英語での交渉です。その経験の中から、引取交渉をスムーズに進めるステップ、心構えを前回同様、以下の内容をアドバイスさせてもらいます。

  1. 普段からの関係性が極めて重要
  2. 引き取ってもらう必要のある商品がどのような経緯で生まれたか「事実」を下に整理した資料を用意する
  3. 引き取ってもらう必要のある商品が生まれた経緯に関連する全ての履歴(メールや文書)を用意する(資料に盛り込むことがベター)
  4. 社内(経営層)に海外顧客に引き取ってもらえるワーストケースを事前に説明し、状況によっては値下げ販売する事を事前に了承してもらう
  5. 先ずは100%(数量&金額)で引き取ってもらう必要がある事を明確に伝えるところから交渉開始する
  6. 自社(経営陣)が了承出来る最低ラインの引取が成立するまで何度でも協議を重ねる(結果を求めて急がない)

非常に泥臭い内容ですが、「引取責任が曖昧な引取交渉」は本当に体力(精神力含む)勝負です。

ロジカルに、粘り強く、結果を急がずに、丁寧に交渉する

こんな言い方に集約出来るかなと思います。
それでは、少しずつ詳しく解説していきたいと思います。

ロジカルなシナリオの重要性 試されるビジネススキル

先ずステップ・心構えの①です。前回の「解雇交渉」同様、「引取交渉」においても①の「相手との関係性」に関しては、やはり全てのステップの中で最も重要な内容だと思います。

引取交渉となる海外顧客と引取交渉を進めるあなたの間にどれだけの「信頼関係」が構築されているか?という事は交渉において極めて重要な鍵となります。

信頼関係が深ければ深いほど、交渉を「公平に」進める事が出来ます。この「公平であること(フェアであること)」は交渉において非常に重要な要素となります。

フェアに交渉を進める事の出来る土台が有る中で、「ロジカルな交渉シナリオ」をしっかりと準備する事が重要になります。このシナリオがしっかりと描けている事が②③の準備を進める上で重要です。

ロジカルなシナリオ構築の参照として、過去記事 シナリオ構築力の重要性 に関しても是非ご参照ください。
海外ビジネスではシナリオを明確に!【ビジネススキルが向上】

  • 相手に引き取ってもらう必要のある内容(数量と金額)を明確にする。(ゴールの明確化)
  • 顧客のどの情報・要望をもとにその商品が用意されたかを明確にする。(スタート地点の明確化)
    →この時③の「顧客からのメール履歴」が重要になります。
  • これまでに自社がどれだけ同顧客をサポートしてきたかを具体的な事例と共に訴える。(顧客に特別感を感じさせる)
  • この問題が解決されることにより、自社が更にどのように同顧客をサポートしていきたいかを訴える。(ゴールのその先を描く)

私はいつもこのような資料構成を心がけていました。

そのうえで、顧客との交渉前に必ず④のステップとして、社内関係部門や経営層との事前協議が必要となります。

「交渉の中で、最悪この価格で引き取ってもらえるのであれば合意しても良い」という交渉ラインを共有しておくことが必要です。これはどの会社でも普通のプロセスですが、ここで重要な事は本当のワーストケースを社内に理解してもらい、共通認識を持ってもらう事です。

引き取ってもらう必要のある金額、及びその金額が自社の財務に与える影響にもよりますが、「引取責任が曖昧な引取交渉」において、顧客に引取を強要する事で、顧客との信頼関係が崩れ顧客との関係性が終わるリスクがある、という事はワーストケースとして理解しておく必要があるかと思います。

この顧客は自社としてどうしても繋がり続けたい顧客なのか?最悪失っても良い顧客なのか?その顧客の重要度を経営層含めて社内でしっかりと共通認識を持つ事が重要です。その共通認識のもと、「交渉の最悪のライン」を敷く事が必要です。

急がず丁寧に ここでも試されるビジネススキル

続いて⑤⑥の実際に海外顧客と交渉進めるステップです。

⑤⑥のステップも、前回の「解雇交渉」と考え方は基本的に一緒です。「丁寧に説明し、丁寧に話を聞き、丁寧に協議を続ける」という非常にベーシックな内容です。

特に海外顧客との引取交渉の際に、有効に効くキーワードをいくつかあります。

fair  (公平)
Respect (敬意)

という二つの言葉です。私はこの二つの言葉を要所要所で使います。例えばこんなフレーズです。

I have to say that is not fair.
それはフェアでは無いと言わざるを得ないですね。

Please respect how we have been supporting you.
我々のこれまでのあなたへのサポートに敬意を示して欲しい。

これ結構効きますよ

もちろん誰にでも効くわけではありませんが、特に海外顧客は「fair」「Respect」という言葉に敏感である人が多いというのが私の印象です。

自分が何かずるい事をしている、無礼な事をしていると思われたくないのです。清廉潔白までいきませんが、「自分はfair(公平)な人間であり、常に相手にrespect(敬意)を持って接している人間である」と思われたいのです。

その人間的な部分に訴える形で、私はこれらの言葉をここぞ!というところで使います。

このような「効くフレーズ」を織り交ぜながら、会話を丁寧に続ける事です。解雇交渉同様、決して結果を急いで求めにいってはいけません。

前回の投稿でも書きましたが、特に本社の役員等、役職の高い方ほど、せっかちで「直ぐに結果を求めたがる」特徴が有ります。但し、このようなケースで大事な事はスピードではなく、「可能な限りの好条件で妥結する事」です。時間を掛けて丁寧に結果を求めることです。

この⑤⑥のステップで問われるあなたのビジネススキルは、「コミュニケーションスキル」であり、この複雑なコミュニケーションを成立させる「英語力」です。

こちらも是非ご参照ください。
現役海外トップセールスが語る英語の価値【1番重要なビジネススキル!】
コミュニケーション力を向上すれば交渉力も向上する【海外営業必読!】

以上、今回の投稿も少し長くなってしまいました。前回同様少しでも参考になればと思います。高難度の交渉は様々なビジネススキルを必要とします。

前回も書きましたが、このような交渉の経験を積み重ねる事で交渉力は確実に向上していきますので、このような機会が巡ってきたら、是非自分を成長させるチャンスだと思ってがんばってください。この交渉をうまくまとめればあなたはヒーローです!

そんなポジティブな考え方も重要です。こちらの記事も併せて参考にしてみてください。
海外でこそ重要なビジネスマインド!【信頼を勝ち得る考え方とスキル】

投稿者プロフィール

名前 ACE

40代現役サラリーマン

海外営業歴20年以上。海外在住25年以上。海外で前線を飛び回りながら海外拠点の責任者まで幅広く活動。商談、交渉回数は通算3000件以上。子育て奮闘中。

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